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暗黒童話/乙一

暗黒童話
暗黒童話 
乙一 集英社文庫


「乙一まだ読んだ事ないんですよねー」と言ったら
安田ママ@銀河通信さんが読め読めと貸してくれました。
ありがとうございます〜。
借りたのは新書版だったのですが、もう文庫落ちしてるので
こっちをリンクしました。


事故で片眼と記憶を失ってしまった女子高生、菜深(ナミ)。
死者の眼球の移植手術を受けた後、その左目はふとしたきっかけで
様々な映像を写しはじめる。
それは眼球の持ち主の犁憶瓩世辰拭

記憶喪失になる前の活発で何でもできた自分と、
今の何もできない自分の劣等感に悩む菜深は、
眼球の記憶に拠り所を得ていた。
そしてその持ち主を探す旅に出た事から、凄惨な事件へと巻き込まれる…。


読み始めた時は、なんとなく先が読める設定だな〜なんて
僭越なことを考えたのですが、それはまちがいでした。
グロい描写も多いけれども、淡々と書かれているので逆に気にならず
ホラーは苦手なわたしでも全く問題なし。

なによりも心に残るのは、文章の端々で感じる爐擦弔覆記瓩任靴拭
あとがきで知ったのですが、乙一さんは「せつなさの達人」と
言われているとか。なるほど、やっぱり。
全体に流れる暗くていかがわしい雰囲気の中で、
主人公が語る透明なせつなさがいっそう胸にせまりました。
他の作品も読んでみたいと思わせる作家さんです。


最後に、なんとなく心に残った一説を引用させていただきます。


「その屋敷を見ていると、心のもっとも深いところにあるどうすることもできない部分が震え出す。どんなに幸福で正しい気持ちでいようと、それを目の前にした瞬間、自分が孤独なただの人間であることを理解してしまう。
 青は暗さと寂しさの色だ。青い海が深さを増すと、やがて光の射さない深海の闇となる。海面の青と深海の闇は別のものではないのだ。目の前にある屋敷の色は、それが真実であることを冷徹に告げていた。」

 (乙一『暗黒童話』集英社新書ソフトシリーズP.278より)

瑛里 * 読書 * 21:12 * comments(0) * trackbacks(1)

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暗黒童話

 黒乙一の初・長編小説である。左眼と記憶を失くした女子高生の「私」の話なのだが、 まるで作者自身がそれを経験したかのようなリアルな設定が、小説への導入を早くしている。 例えば、記憶を失くす前の過去の自分と、記憶を失くした今の自分とのギャップに苦しむ
From 本を読もう @ 2007/05/08 9:19 AM
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